情報公開ロージャーナルは、主に国や独立行政法人、地方公共団体における情報公開制度に関するトピックを取り扱います。

当サイトでは、情報公開制度によって開示された行政文書(公文書)について、以下の基本的な考え方に基づき、その情報を扱います。

情報公開制度の趣旨

情報公開制度は、いわゆる情報公開法が、「国民主権の理念にのっとり、行政文書の開示を請求する権利につき定める…」と規定するように、国民主権という憲法原理に基礎を置くものであり、また、多くの地方公共団体の情報公開条例が、その目的規定に「知る権利」を明文として定めるように、「表現の自由」と表裏一体をなす「知る権利」という憲法上保障された権利を実現する重要な制度であるといえます。

そして、同時に、政府の説明責任(accountability)は、国民主権原理のコロラリーとして導かれるものであり、アメリカ第4代大統領のジェームズ・マディソンが「A popular Government, without popular information, or the means of acquiring it, is but a Prologue to a Farce or a Tragedy; or, perhaps both.(人民が情報を持たず、またはそれを取得する手段を持たないような人民政府は、喜劇か悲劇への序章、あるいはその双方かもしれない。)」と指摘するように、情報公開制度は国民主権を実質化するために不可欠です。

情報公開制度が、このような「国民主権」と「知る権利」の理念を基礎とするものである限り、それは、憲法が示すように、国民の不断の努力によって保持されなければなりません。

国が保有している国政関係の諸情報は、本来、主権者たる国民のものである。原則として、すべての国民に対し、それらの情報を知る権利が実質的に保障されていない限り、国民主権は成立しえない。

平成2年9月28日 日本弁護士連合会「情報主権の確立に関する宣言」

開示文書の利用目的は問われないこと

情報公開法は、何人に対しても等しく開示請求権を認め、開示請求者に対し、開示請求の理由や利用の目的等の個別的事情を問うことなく、開示請求に係る行政文書の全部を開示することを原則としています。

一部諸外国の情報公開法や、横須賀市情報公開条例(平成19年12月17日条例第54号による改正後のもの)のように、開示文書の有償目的の頒布を認めない規定も存在しますが、情報公開法を始め、我が国の情報公開条例の多くはそのような規定を置かないこととしたものであり、それ自体、情報公開制度の特色であり、重要な意義といえます。

我が国の情報公開法制は、「情報」そのものではなく、「情報」の記載された「文書」を開示の対象として採用しており、また、文書を特定して開示請求がされる以上、その開示が請求者にとってどのような意義を持つ(役に立つ)のか、また、開示された文書をどのような目的のために利用するのか等を一切問うことなく、(例外的に法定された不開示事由に該当する情報が記載された文書を除き)請求の対象とされた文書の全体を開示することを原則として構築されている。

最高裁平成19年4月17日判決 裁判官藤田宙靖補足意見

また、もとより、個人の権利利益を害するおそれがあるもの、法人等の競争上の地位を害するおそれがあるもの、行政機関の適正な事務事業の執行に支障を及ぼすおそれがあるもの等といった情報は、情報公開制度の規定の中において、開示しない情報(不開示情報)として定められています。

すなわち、情報公開制度によって行政機関から開示された情報は、このような不開示情報に該当しないものとして原則通り開示された情報であり、(当該文書中に第三者の情報が記録されていて、当該第三者がいわゆる逆FOIAの形で当該開示決定の取消しを求める場合を除いて)このような「おそれ」等を開示請求者の側で考慮することを要するものではありません。

公文書は国民共有の知的資源であること

いわゆる公文書管理法において、公文書は「健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源」と位置付けられており、国民が広く公文書の存在及び内容について知ることは、民主主義を維持することそのものに資するものであると考えています。また、このような公文書の位置付けについて、地方公共団体においても同様であるということはいうまでもありません。

・・・国及び独立行政法人等の諸活動や歴史的事実の記録である公文書等が、健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源として、主権者である国民が主体的に利用し得るものである・・・

公文書の管理に関する法律(平成21年法律第66号) 第1条

また、他方で、公文書は一定の保存年限を経過すると、原則として(特定歴史公文書等として国立公文書館に移管されない限り)廃棄されます。そのため、当然のことながら、ひとたび廃棄された公文書は、それ以後、国民の目に触れる機会が無くなることとなります。

しかし、公文書は、”行政機関における経緯も含めた意思決定に至る過程並びに当該行政機関の事務及び事業の実績を合理的に跡付け、又は検証することができるよう(公文書管理法第4条柱書)”、作成された重要な資料であるところ、これを資料として保存していくには、情報公開制度によって、公文書の開示を請求していく方法のほかありません。

情報公開ロージャーナルは、このような資料としての性質を有する公文書について、保存していくとともに、当サイトへの掲載を通じて広く一般に共有し、多くの方々に行政機関の保有する情報にアクセスする機会を提供いたします。

民主的な行政運営に資することを目指して

情報公開ロージャーナルは、情報公開制度という民主主義の基盤を活用し、公文書という国民共有の知的資源を保存しつつ、これらを広く一般に共有することで、多くの方々が行政機関の保有する情報にアクセスする機会を提供いたします。

ひいては、多くの方々の行政に対する関心を高めることにより、もって批判的な視点の涵養と建設的な議論の促進に資することを目指してまいります。